メタバース

今回はメタバースについて少し勉強したことを書きます。

日本でメタバース分野で活動されているクラスター株式会社CEOの加藤さんの本を読みました。

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CGに携わるものにとってとても興味深く、今後全ての人にとって必要なインフラのように発展していく分野だと思います。

しかしまだまだ発展途上であり、黎明期のインターネットのように将来的に人間とどのような関わり方をするかまだ専門家でもわからないそうです。

 

まずはメタバースの定義について本の説明から少し抜粋します。

メタバースとは、、、

■メタバースの定義は7つ→

 

永続性/リアルタイム性/複数同時接続/経済性/デジタルとフィジカルをシームレスにつなぐ/複数個人複数企業による参加/相互運用性(フォートナイトとどうぶつの森の世界を行ったり来たり)

■インターネットのように生活の中に組み込まれて必要不可欠なインフラになっていくだろう。

■メタバース的なものはすでに存在している(ゲームのフォートナイトとか動物の森とか)、

しかし将来的にメタバースがどのようになっていくか誰にも予想できない。

■ゲーム業界/SNS業界/クリプト業界など複数のプレイヤーがそれぞれの思惑を持ち、入り乱れながらメタバース的なものが少しづつ発展している。

 

■上記7つに加えて加藤さんが考える二つの要素→自己組織化と身体性

 

現実の物理的な制約から解放されて、様々な社会的活動ができるということだと考えています。

経済的な交換ができるのでそこで仕事をして、娯楽を楽しんで、といったこともできます。

生産者がいて消費者がいてメタバース内に独自の経済圏ができます。

そこに身体性も加わるので現実世界の「代理」として存在することが可能です。

ただこの身体性については今の技術ではまだまだ現実世界の代理はできないように思います。

 

※ちなみに一昔前に流行ったセカンドライフは大きな括りではメタバースに含まれるそうです。

当時は回線速度の問題や参入障壁が高すぎること、ガラケー時代なのでメタバースが浸透する土台がそもそもなかった、、。

最近?ではfacebookがMetaに社名変更してザッカーバーグがメタバースやっていきます!と宣言して話題になりました。

とはいえ今でも誰でも気軽にメタバースの世界に入り込めるわけではないですが。

 

メタバースの将来像について、狭い空間からあまり動かず常にデジタル世界に身を置くようになる、という過激な?専門家がいたり、

いや現実世界と共存してデジタルと現実世界のいいとこ取りをすることになる、と予測する専門家がいらっしゃるようです。

現実世界が完全になくなることはないので、現実世界を補完又はアップデートする形でメタバースが存在するか、あるいはその逆かどっちになるか?という議論かと思います。

※運動が脳に良い影響を及ぼすという本を最近読みましたがその内容とは逆行してますね。

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本を書いている加藤さんは結構過激派で、感覚の全てをデジタルに互換して完全にメタバースで生活するのが人類の理想であると言ってます。それだけ聞くと僕も含めてアレルギーを起こす人がいると思いますが、単純にサイバーパンクな世界にみんなで行こう!という話ではないみたいです。加藤さんは人間の感覚的な機微についても思いを馳せていらっしゃいました。

 

岩の話。

 

メタバースはデジタルの世界ですから、データの「容量」の問題があります。技術がどんなに進化しても現実世界の全てをデジタルで完全に表現することは原理的に不可能だそうです。例えば重さ1kgの岩は構成する原子一つづつの位置情報や運動量をとっていくと、全人類の遺伝情報を合わせたものより大きいデータ容量になるそうです。岩一個の情報量が人類全体の遺伝情報量より大きいという感覚的には違和感がある話です。

岩一個でそんなことになるので全世界を表現しようとするのが不可能というのがわかる気がします。

 

ではどうするかと言いますとメタバースは、人為的に現実世界をデフォルメした仮想世界になるようです。

岩の情報(どんな凹凸があるか、どんな肌触りか、色や匂いや艶の感じ等)は基本的にはしょられてしまいます。

岩の情報ははしょって、人の表情とか、インテリアとか人間にとって大事な情報にエネルギーを注ぎます。

 

ここで違和感を持ちませんでしょうか。何が大事で何が大事じゃないかなんて勝手に決めないでほしい、、。

僕は岩を鑑賞するのが好きなんだっていう人ももちろんいらっしゃいます。

あるいは岩の研究をしてる人や、庭師さんとか。

 

そこで、ある人にとって大事な情報が削がれないようにしないといけないということで

メタバースはさらに個人個人に合わせてパーソナライズされた空間へと進化していくだろうとのことです。

 

インテリアが好きな人にはインテリアに重きを置いた世界を(木目の質感、節目の位置、生地の起毛の様子、どのような縫い目か、Rはどれくらいか、、)

岩が好きな人には岩の細かい情報を。

 

個人的にはそこからさらに「セレンディピティ=偶然の出会い/予想外の発見」があればもっと楽しい世界にしていけるんだろうなと

思います。岩が好きじゃなかった人でも、何かのきっかけで岩を観たときにはいろんな表情がそこに存在して何か発想の起点になったり感情が動いたりが可能な世界であってほしいと個人的には思います。

 

メタバースは人為的にデザインされた世界になるようです。

そこにセレンディピティはあるのか。もう少し勉強してみたいと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は以上です。