「認知バイアス辞典」(情報文化研究所著)という本に面白い箇所がありました。
誰でも一度は見たことがある絵だと思います。
右の方が縦線が長く見えるでしょ?ってやつですよね。
このとき脳で何が起きてるのか。
この本に詳しく書いてあったのでご紹介します。
ちなみにミュラーリヤー錯視っていうみたいです。
まず押さえておきたいのは、2本の線は網膜に映った時点では同じ長さであること。
脳で処理されるときに違った長さとして捉えられるということです。
なぜ脳はこの2本の線を違う長さのものとして捉えるのか。
それはこの左右の図を空間的な図形として考えると説明ができます。
図形を平面ではなく空間として捉えると、左は出隅・右は入隅になっています。
出隅は近くにあるように見え、入隅は遠くにあるように見えます。
ちょっと平面の図形から離れて現実空間を想像します。クランク型の廊下とか。
仮に壁の高さ(線の長さ)が同じ場合は遠くにある入隅は短く見え、出隅の方が長く見えるはずです。
ところが図形の縦線は同じ長さで、網膜に映る長さは同じです。
ここで脳はこう考えます。
「右に見えているものは遠くにあるはずなのに網膜に写っている長さが同じ。
ということは左に見えているものより高い壁(長い線)なのだ、、、」
僕が面白いと思ったのは、自分も含めて殆どの人がこの騙し絵を知っていて、かつ、
おそらく全ての人が右が長く見えると思いますよね。
人間はそれだけ自然に物事を空間的に捉える機能が備わっているんだな、という点です。
この絵に騙されるということはそれだけの空間認知機能が全ての人に備わっているということなんだと思います。
たった10本の線(5本の線)を空間として捉えられる脳ってすごいです。
点が三つあったら顔に見えますしね。
今回は以上です。